八丈島海域における地震・噴火の影響
 今回の三宅島の噴火や新島・神津島近海での群発地震では、三宅島や震源に近い神津島や新島などでは陸上の家屋や道路は勿論、トコブシやテングサなどの生息場所が灰や崩落で埋まるなど水産資源にも大きな被害がでています。しかし、八丈島では、地震の震源が浅かったためか、地震を感じることはほとんどなく、また、火山灰が降ることもほとんどありませんでした。このため、八丈分場では直接的な噴火・地震の影響調査は行わず、通常業務として行っているトコブシやテングサなどの生息状況潜水調査や調査船「たくなん」での海洋観測調査、漁協へ水揚げされる魚の種類や漁獲量調査などの結果をもとに、噴火・地震の影響を調べていますが、特に例年と異なる現象は認められていません。また、三宅島と八丈島の間にある黒瀬海域はキンメダイの産卵場になっており、産卵期が7〜9月と噴火や地震の時期と重なったため、産卵への影響が心配されましたが、8月に実施したキンメダイ卵のネット曳き調査(写真)では、昨年の調査で採集された以上の卵や稚魚が採集され、産卵が順調に行われたことを確認しています。これらの調査結果から見る限り、八丈海域において水産資源に対する地震・噴火の影響は認められておりません。

写真.キンメダイ卵のネット曳き調査

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