八丈分場だより
No.267 平成13年5月23日発行
テングサ作柄調査結果
 八丈分場では、本年5月10日〜5月20日に八丈島各地において枠取り(1m²枠内での全藻採取)または目視観察により、テングサの作柄状況を調査しましたので、その結果をお知らせします。
 枠取り結果は図に示しました。なお、( )内には昨年の値を示しました。
 各地区の概要は以下のとおりです。
《末吉地区》
 平均藻長は全調査地点で昨年を上回りました。着生量は三石、小屋下、石積で下回り、水の下、ホテル下、水の沢、汐間で上回りました。特に、汐間では昨年は藻体がほとんど見られませんでしたが、本年は藻体が広く分布し、漁場の回復が見られました。その他の地点は、着生範囲は昨年と同程度と思われました。
《八重根地区》
 前崎では、着生量、平均藻長とも昨年を上回りました。藻体の着生範囲は昨年と同程度と思われました。
《三根地区》
 垂戸とやせの2地点では平均藻長、着生量とも昨年を上回りました。この2地点の藻体の着生範囲は昨年と同程度と思われました。
 島全体を通じて藻体の色は良く、他の藻類の付着もほとんど無く藻質は良好でした。また、昨年と比較して全調査地点で藻長が長く、主要な漁場である末吉地区のホテル下、水の沢、汐間、及び八重根地区の前崎において着生量が多いことから、現時点での作柄状況は昨年よりもやや良いと思われます。
 神湊港における本年3月初旬から5月中旬までの旬別水温は、概ね平年並みでした。今後、黒潮流路の変動によっては水温の変動もあると思われますので、海況変動に注意しながらテングサの成長を見て、適時収穫していくことが必要と思われます。

13年度調査地点別テングサ作柄状況図(5月10日〜20日)

神湊定地水温の推移(平成12年12月〜13年5月)


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